こんにちは 長谷川ゆきです。
立秋過ぎても大変な暑さですが、
フォロー下さってる皆様はご無事でしょうか。
今日はマスネ作曲の有名な「タイスの瞑想曲」について面白かった事をシェアしてみたいと思います。
「タイスの瞑想曲」は、今年1月にもヴァイオリニストの姉・長谷川彩と共演していますが、一般的にこんな楽譜です:
ですが、元々マスネーのオペラ「タイス」の中の間奏曲として作曲されており、元のオーケストラスコアはこんな感じ:
続く小節も音型はこんな感じで・・あれ? ハープの分散和音はずーっと途切れる事なく次の小節へつながってるんですね。
そうすると、必然的に(は私だけ?)、ハープの通りにピアノの伴奏でも弾いてみたくなるわけです。
で、実はそういうバージョンを作っていたのですが、姉から却下されまして😅、陽の目を見ずに終わりました。
小節によっては効果的に次の小節へつながるのですが、ヴァイオリンのメロディが4拍目で動く時に同時にピアノが動くと、ハープと違ってどうしても強いものですから、ちょい邪魔になる、間合いを規制される気がする、というのはわかります(元のピアノ伴奏譜があまりにも定着したゆえというのもあります)。
ところが・・今度姉の夫であるオレリアンもこの曲をチェロで演奏するという事で送って来たピアノ伴奏譜が
まさかの最後の音入りでした。・・おっかしな夫婦ですね🤣
まあ、チェロで演奏する場合は音域が低いですから、上のほうでキラキラと音が繋がって鳴ってて欲しいというのもまた、わかります。
このチェロ版はあの、フランクのヴァイオリンソナタをもチェロ版にしてしまったジュール・デルサール(1844-1900)という人物の手によるもので、後半が何やらすごく時代がかってるのですが😂、それも一興、そのまま奏でてみたいと思います。
ちなみに5月にパリ・オペラ座で同じマスネ作曲のオペラ「ドン・キショット(ドン・キホーテ)」を聴いて来ましたが、その中にも間奏曲があり、こちらはチェロ独奏に歌わせるものになっています。ただ、「タイスの瞑想曲」の魅力には叶わないようで、チェリストもこちらを弾きたいというわけですね。
コンサートは下記のものになります。ぜひぜひ、ご来場をお待ちしております♪
お体はご自愛の上お過ごし下さい。
<パリオペラ座首席オレリアン・サブレ(チェロ) 長谷川ゆき(ピアノ) ロマンティックコンサート>
<日時>2024年8月21日(水)19時開演
<会場住所>五反田文化センター音楽ホール(東京都品川区西五反田6-5-1)
・JR山手線「五反田」徒歩15分
・東急目黒線「不動前」徒歩7分
・東急池上線「大崎広小路」徒歩10分
<曲目>
・メンデルスゾーン:協奏的変奏曲 ニ長調 op.17
・グリュック:メロディ「精霊の踊り」
・シューマン:幻想小曲集
・パガニーニ:ロッシーニの歌劇「モーゼ」の主題による、一本弦で奏でる変奏曲
・マスネー:「タイスの瞑想曲」
-(休憩)-
・フォーレ:「エレジー」「蝶々」
・ドビュッシー:チェロソナタ
・サン=サーンス:「白鳥」
・ショパン:序奏と華麗なポロネーズ ハ長調 op.3
*7/8に曲目を一部変更しました
詳しい方もそうでない方もお楽しみいただけるよう、曲の紹介も準備してお待ちしています。
主催:アンサンブル・コルディアーレ(音楽企画室)
入場料:一般 4,500円、学生 1,500円
Googleカレンダーに登録する: https://bit.ly/3OWxY70
iCalendarに登録する: https://bit.ly/45pOgfT
<演奏者紹介>
◆ オレリアン・サブレ(チェロ)Aurélien Sabouret
パリ国立高等音楽院を1等賞を得て卒業。その後米国ボストン大学アーティストディプロマコースにも学び、タングルウッド音楽祭やクナイゼルホール音楽祭に参加、ヘイダ・ハーマン国際弦楽コンクール優勝。
パリ管弦楽団団員、フランス放送交響楽団首席奏者を経て、現在パリ国立オペラ座管弦楽団第1首席チェロ奏者。オペラ批評でもチェロソロに言及されるなど活躍中。
ソリストとして小澤征爾指揮パリ国立オペラ座管弦楽団、群馬交響楽団、アルバニア国立放送交響楽団等と協演。
Suisse Galloレーベルにてバッハ、シューベルト、グリンカ、R. シュトラウスの作品を録音。また、Bion(美音)Recordsを主宰、フランス音楽を収めたソロCDや、ベドリッシュ弦楽四重奏団、オペラ座団員によるチェロ四重奏 Cell’Opéra のCDをリリース。音源はフランス公共ラジオで何度も放送され、日本の「レコード芸術」優秀録音盤にも選ばれている。
フィリップ・バリー、ジャン=マリー・ガマール、アンドレ・ディアスの各氏に師事。
◆ 長谷川ゆき(ピアノ)Yuki Hasegawa
国立音楽大学ピアノ科、パリ市立高等音楽院室内楽研究科、ミラノ市立クラウディオ・アバド音楽院指揮専攻科他、伴奏科、作曲書法科、管弦楽法科修了。在学中より管弦楽器と多数共演、CD録音にも参加。
ピアノリサイタルは「とても雄弁かつ立体的」「オーケストラに引けを取らないほど豊かな表現力」等と評される。
指揮では日本クロアチア音楽協会へ度々客演、日本初演曲の魅力を伝える手腕が高く評価された他、「並外れた才能、天分豊かで洗練された芸術家」(ミヒャエル・ディットリッヒ ウィーン交響楽団a.D.)等、注目を集める。
パリUFAM、べラン両国際コンクール(室内楽)1位、’06年ブラームス国際コンクール(ピアノ)6位、’23年ミラノ国際指揮コンクールベスト7。ピアノを山田富士子、T.ユイエ、A.v.アルニム、室内楽をJ=P.サブレ、P.メイエ、E.ル・サージュの各氏に師事。
’24年度 東京農工大学管弦楽団指揮者、プロアルテムジケ、AIA(ウィーン)各協力アーティスト。日本での企画活動が認められ、2009年以来フランス政府より「能力と才能」滞在許可を受給。https://yukihasegawa.com