こんにちは 長谷川ゆきです。
寒暖の激しいままに紫陽花の季節に突入の様相ですが、
皆様にはお変わりございませんか。
ハーピストの佐藤杏樹さんから、またまた凄い企画の発表です。昨年12月のライネッケのハープ協奏曲の公演もお陰様で大好評で終了し、「音楽の友」2025年2月号に絶賛評が掲載され、快進が続いています。


今度はニーノ・ロータのハープ協奏曲、映画音楽、また、チラシには載っていませんがマスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「間奏曲」を指揮させていただく事になりました。
映画「ゴッドファーザー」等の音楽の巨匠として知られるニーノ・ロータは、クラシック作品もパリでも室内楽試験の曲によく選ばれていて、無理がなく効果的な譜面という印象があります。
ハープ協奏曲は、草原を渡るそよ風のような運びで始まり、ハープの音を他の楽器でやさしく包んで幻想的な世界を映し出します。最後こそハープソロのカデンツァがありますが、ほぼ室内楽的な扱いで、佐藤さんが集めてくれた名手による他の楽器の活躍も充分に楽しめる作品となっています。
マスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、1890年に作曲コンクールで見出された作品で、間奏曲はその美しさからしばしば取り出して演奏され、ロータ作曲の映画でも使われる事になりました。マスカーニが「一次審査の結果発表までローマを離れないで」と言われて通過を確信した、という逸話を読むと、私がミラノの指揮科を受験した時、まだ結果を言ってはいけない先生が、私が「来週のパリからの飛行機今取らないと上がっちゃうんです」と言うと、目を斜め上に逸らして「取りなさい!」と言ってくれた日の喜びを思い出します。
映画音楽は、4月末にソニー・ミュージックパブリッシングさんから編曲許可を頂き、私の編曲にてオーケストラでお届けできる事になりました!
今回の企画は、私が締切日当日に練馬区の助成制度を見つけて佐藤さんに知らせると、どういうわけか彼女はそのとき練馬にいて、パソコンを持っていた!という出来事に始まり、オーケストラで演奏するための別の助成も下り、そこから大急ぎで編曲許可申請をし、心配した協奏曲のイタリアからの楽譜レンタルも、日本の代理店も驚くほどスムーズに進み、という具合に沢山のご厚意や幸運に支えられています。
なんといっても当日中に助成申請ができるほど、いつも魅力ある企画が頭の中に用意されている佐藤さんの力は大きく、レパートリーで見える世界も広がり、感謝に堪えません。私のできるところを精一杯サポートしたいと思っております。
なかなか生で聴ける事のない作品ですので、ぜひご来聴、ご高評頂けましたら大変幸いに存じます。小中学生は無料ですので該当の方にはお声かけも頂けましたら幸いです。
長くなり失礼しました。
ご自愛の上、良い初夏をお過ごしください。
<(長谷川ゆき指揮)七夕にロータを聴く 佐藤杏樹ハープリサイタル withアルパルパ室内合奏団>
令和7年度 公財) 練馬区文化振興協会 舞台芸術支援事業
2025年7月7日(月)19時開演 練馬文化センター小ホール 東京都練馬区練馬1-17-37
西武池袋線, 西武有楽町線, 都営大江戸線「練馬」駅前 北口徒歩1分
■演奏曲目
ロータ作曲:
・ハープ独奏のためのサラバンドとトッカータ
・フルートとハープのためのソナタ
・ハープ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロのための五重奏曲
・ハープとオーケストラのための協奏曲
・映画音楽
マスカーニ作曲:
・オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲ほか
※曲目は、やむを得ず変更になる場合がございます。
主催:アルパルパ企画、助成:光山文化財団
入場料:自由席 一般:前売4,000円(当日5,000円)
練馬区在住割:前売2,000円(当日3,000円)
小中学生無料
*当日もインターネット等で前売り券の購入は可能です。
チラシのチケットセンターの他、長谷川ゆき公式ストア(Stores)からも全券種ご購入いただけます↓
ぜひぜひ、会場でお待ちしております。
■出演
ハープ・お話:佐藤杏樹(音楽博士)
フルート:大石三郎
オーボエ:秋元桜子
ヴィオラ:塙亜里子
チェロ:武井英哉
指揮:長谷川ゆき
管弦楽:アルパルパ室内合奏団
ヴァイオリン 對馬佳祐(コンサートマスター) 山内あずさ 有賀叶 柏木かさね 宮武佑果 李玲花
ヴィオラ 大矢章子 塙亜里子 中田裕一
チェロ 武井英哉 櫻井慶喜
コントラバス 宮澤麗奈
フルート 大石三郎 杉村美咲(ピッコロ持替)
オーボエ 秋元桜子
クラリネット 金井清
ファゴット 伊藤真由美
ホルン 信末碩才 高崎万由
トランペット 橋本洋
ティンパニ 加藤海夏太
<演奏者紹介>
◆ 佐藤杏樹(ハープ/企画・お話)
7歳からハープをはじめる。都立日比谷高校卒業後、音楽の研鑽を本格化させる。19歳での横浜国際音楽コンクール弦楽器部門1位を皮切りに、様々なコンクールで高い評価を受け、国際グランプリコンクール協奏曲部門1位および、Excellent Musicality賞、マンハッタン国際コンクールで審査員満場一致の近代音楽グランプリほか受賞多数。
2023年7月、演奏と博士論文により、ハープでは日本で3人目となる音楽博士号を武蔵野音楽大学(練馬区)より授与される。在学中より、在京プロオーケストラの客演首席奏者のほか、水戸第三高校音楽科ハープ専攻講師、青山学院大学ゲスト講師も務めた。
大学院修了後、自身が代表を務める「アルパルパ企画」の主催により、2つのリサイタルシリーズを開始。「meetsハープ」シリーズでは、第1回(2023年6月)の日本アルゼンチン国交125周年・ヒナステラ没後40年記念リサイタル(後援:アルゼンチン共和国大使館ほか)、および第2回(2024年12月)のライネッケ生誕200周年記念リサイタル(後援:カール・ライネッケ協会)がともに好評を博し、「音楽の友」誌にコンサートレビューが取り上げられた。本公演はその第3回にあたる。
世界ハープ会議元副会長の井上久美子氏に師事。日本ハープ協会会員。日本音楽学会会員。
◆ (佐藤さんからのメッセージ)練馬ゆかりのフリーランス奏者を中心に、 室内楽を得意とする演奏家に集まっていただきました!
ハープを交えた珍しい編成の五重奏をお届けします♬
フルート/ 大石三郎 オーボエ/ 秋元桜子 ヴィオラ/ 塙亜里子 チェロ/ 武井英哉
◆ 長谷川ゆき(指揮)
立体的で豊かな表現力と多方面で評され、国内外の演奏家と多数共演。佐藤杏樹氏との共演はピアニスト・指揮者として4回目となる。
ブラームス国際コンクール等、欧州にてピアノ, 室内楽, 指揮で優勝, 入賞。国立音楽大学, パリ市立高等音楽院, ミラノ市立クラウディオ・アバド音楽院にてピアノ, 室内楽, 作曲書法, 管弦楽法, 指揮を修めた。プロアルテムジケ, Austrian Imperial Arts各協力アーティスト。
◆ アルパルパ室内合奏団 2025
ハーピスト佐藤杏樹の音楽仲間や先輩方によるスペシャル小規模プロオーケストラ。コンサートマスター對馬佳祐氏(パリ国立高等音楽院首席卒業。各地でソリスト、コンサートマスター として活動中)、ホルン信末碩才氏(日本フィルハーモニー交響楽団首席奏者)ほか新進気鋭の若手メンバーや、トランペット橋本洋氏(元日本フィルハーモニー交響楽団首席奏者、武蔵野音楽大学講師)、ヴィオラ 大矢章子氏(元リヨン国立歌劇場管弦楽団)ほか、経験豊富なメンバー。